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欠陥住宅問題

 

1.マイホーム等の不動産のトラブル

先日,免震等の構造対策が施された建物について「免震・制震装置に検査データの改ざんがあり,不適合品等が使用されていた」というニュースが報道されました。同装置が使用されていた物件は,官公庁の施設を含めて約113件と公開されましたが,民間のマンションについては,個人情報等の関係もあって報道がなされず,不安を感じている方もいらっしゃると思います。

居住用のマンションを購入されたり,住居を新築される方(以下「消費者」といいます)が「不具合のない不動産を取得したい」と考えるのは,ごく当然のことです。

また,マンション購入や住居新築などの不動産の取引は,往々にして高額であり,人生で最も高価な取引になることも少なくありません。

しかし,住居の購入や新築という不動産取引の中には,冒頭でお話したように,建物や土地に不具合が存在するケースもあるのです。

 

2.不動産の不具合現象と法律上の欠陥

不動産の不具合(専門用語では「欠陥(けっかん)」や「瑕疵(かし)」といいます)は,居住されている方が不具合の現象に気が付いて発覚することが多いものです。

目に見える不具合現象としては「建物が傾いた」とか「建物の基礎部分にたくさんのクラック(ひび割れ)が入っている」「雨漏りがする」などの現象があります。

また,見た目には分からなくても,冒頭に掲げたように,免震・制震装置の問題などの建物の構造に関する不具合が,地震などの災害を契機として判明することもあります。

これらの不動産の不具合現象のうち,法律的な「欠陥」「瑕疵」と評価されるものについては,売主や建築業者に補修工事や損害賠償を求めることができます。

 

3.欠陥住宅(不動産)問題の特徴

不動産の不具合に気が付いた消費者は,不具合を解決するため,補修工事や損害賠償を求めて売主や建築業者と話し合いを始めますが,相手方との交渉の際に問題となるのが,住宅を購入・新築する大多数の消費者が「住宅建築に関する十分な知識や経験を有していない」という点です。

建物に重大な欠陥が潜んでいても建築の素人である消費者には気が付けないということは往々にしてありますし,消費者が建物の不具合に気が付いて建築業者に補修を求めても,建築業者が場当たり的な補修工事で済ませて根本的な是正にまでは至らない(建築業者による一時的な補修工事によって表面上は不具合が解消されたように見えることから,重大な欠陥があっても十分な是正を求めるまでに至らない)というケースも散見されます。

また,建築業者らとの話し合いの場や裁判所での解決を試みる場合においても,不動産の不具合現象が法律的な「欠陥」「瑕疵」であると建築業者らや裁判所に認めてもらうためには,消費者側で不具合に関する証拠等を用意して説明する必要がありますが,建築や裁判の専門用語に不慣れな消費者には,当たり前のことを当たり前に伝える作業にさえ多くの苦労を伴います。

 

4.弁護士に相談を

欠陥住宅問題については,上記のとおり,建築や法律の専門知識を有していない消費者と建築業者らや裁判所との間で知識や情報量に大きな格差が存在することから,消費者が十分に救済されていないのが現状です。

建築業者らと対等な立場で交渉したり,裁判所での問題解決を試みるに際しては,先ずは知識や情報量の格差を埋めることが必要です。その際に欠陥住宅問題に取り組んでいる弁護士の支援を受けることは有力な選択肢の一つであると思いますので,欠陥住宅問題に直面してしまった場合には,ぜひ一度,弁護士にご相談ください。

なお,福岡県弁護士会では,「住宅の品質の確保の促進等に関する法律」に基づいて国土交通大臣の指定を受けた住宅紛争処理機関として業務を行っており,裁判外の紛争処理手続として住宅紛争審査会を設けています。この住宅紛争審査会では,性能評価住宅や住宅瑕疵担保責任保険付き住宅について,取得者と供給者(注文住宅の場合の発注者と請負人,分譲マンションや建売住宅の場合の買い主と売り主)との間で発生した建築関係の紛争の解決あっせん・調停・仲裁を行っています。

 

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